こどもの本屋 てんしん書房
文京区小石川5-20-7
10:00〜暗くなるまで
休 月(定休)+不定休
Tel. 03-3830-0467
Web http://tenshin-shobo.com
Twitter @kodomo_honya
Insta kodomo_honya
春日通りから湯立坂を降り切った信号の角にオープンしたのが「こどもの本屋 てんしん書房」。
店主は神戸出身の中藤(なかふじ)さん。この界隈では4年前からの住人です。
中藤さんは育った神戸東灘区の岡本にある「ひつじ書房」(最寄駅はJRの摂津本山)が大好きでこどもの頃から通い続けていたそうです。「私はひつじ書房で育ったようなものです」と中藤さん。(ファンの間では有名な児童書店で親子3代通っているケースもあるようです。トリップアドバイザーによれば神戸市内の訪れるべきお店にもランクインしていますね。ネットを調べてみると店主の平松さんは今年で86歳。1975年創業、すでに40年以上の歴史があります)。 ちなみに「ひつじ」書房の名前は平松さんの干支から付けられたそうです。平松店主がご高齢のためお店の継承者として中藤さんの名前も挙がりましたが諸事情により実現しませんでした。
「この界隈に住んで4年になりますが、『文京』と言う割に本屋さんが少ないのが気になっていましたし、『ひつじ書房』のような児童書店を自分でも持ちたいと言う気持ちも」あって、この場所を選びました。「スペースもちょうど良い具合で、緑に囲まれたこの場所がたいへん気に入っています。」
開店前の調査によれば彼の育った街とこの界隈には住民の数、住民あたりのこどもの数、学校の数や就学児童数など共通点が多いこともわかり益々意を強くしたそうです。
「ひつじ書房で私がやっていたようにこどもたちに本を手に取ってもらい本に親しみを持ってもらいたい」と内装にはきめ細かな配慮がされています。目につくのがこども達のための読み聞かせのスペースや、ゆったりとした椅子。こども達が見やすいように平台の高さも低めに。店内の通路の幅はベビーカーが通れる幅にしたそうです。
開店前、職人さんたちが楽しそうに入口脇の看板を取り付けていたのが印象に残っています。
「街の書店はなかなか厳しい時代ですが。」と伺ったところ「速さと在庫量ではアマゾンなどに対抗することはできませんが、あれは大人が効率的に買う場所。こどもたちにはあれこれ眺めて実際に本を手に取って大きさを感じてページをめくったりひっくり返して感触も確かめながら選べることが大切だと考えています。」
出版不況と言われる中で、児童書の売り上げだけは伸びているという統計があるようですが、「それは一部のヒット商品(本)だけなのです」。中藤さんは「今後も残り、読み継がれるであろう『王道』タイトルを揃えるようにしています」。 てんしん書房には約4000ものタイトルが揃っていますが「全国児童書売り上げランキング上位」に来るようなタイトルの本は見当たりません。「話題性のある一過性のヒット商品は今後も取り扱う予定はございません」。と明快です。 出版業界の方からは「普通一般の書店というよりもむしろ児童書のセレクトショップ」と言われることもあるようですが、中藤さんの狙いもその辺りなのでしょう。
「この店づくりにはひつじ書房の影響を受けているかもしれません。いつか平松さんにもこの店を見てもらいたいですね。」「この店に来てくれた界隈のこどもが大きくなっても思い出してまた通ってくれるような書店になると良いのですが。」
私がこどもの頃読んでいた本(60年も前のことです)を何点も書棚に見つけることができます。一度にこども時代にタイムスリップしてしまいますね。成功をお祈りします。(10月13日)
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