iyamadesign inc. 株式会社イヤマデザイン

iyamadesign inc.
株式会社イヤマデザイン
文京区白山3-6-15-2F
Web http://iyamadesign.jp/

湯立坂を下り窪町東公園の交差点を越えて右に折れた植物園の真ん前。「以前製版会社だった」建物の2階にあるのがiyamadesign inc. 株式会社イヤマデザインです。
マスキングテープのデザインやテープを使った空間デザインで知られたデザイン会社がこの界隈にあるとお知らせをいただきアートディレクターの居山浩二さんにお話を伺ってきました。

そういえば最近文具店などでmtの文字(このロゴもイヤマデザイン作)を見かけることがありますが、あれは ”masking tape”のことだったのですね。私の年代でマスキングテープと聞くと職人さんが使う「養生用テープ」のイメージしかありませんが、今はこんなことになっていたのには驚きました。
もともと「ハエ取り紙」(昔は我が家でもよく使っていました)の会社だった倉敷の「カモ井加工紙」(創業1923年)さんから人づてにデザインの相談を受けたのがきっかけ。10年ほど前のことでした。イヤマデザインはグラフィックデザインをベースに、商品企画から広告、企業ロゴ、パッケージデザインまで含む総合的なブランディングを手がける「コンサルティング会社」なのです。

同じ倉敷の老舗ろうそくメーカーには薄いカードタイプのろうそくを提案。この会社の旧社名「倉敷製蝋」を使ったブランドも今年の2月に立ち上げました。
「ロウが垂れる、危ない、汚れるなど、これまでのろうそくに対するネガティブなイメージを払拭して誰でも気軽に使えるろうそくの形を考えました」。「燃える時間は30分。使い切り。ロウは垂れる前に燃えてしまうので垂れることはありません」。四角いコンパクトなパッケージにしたおかげで「輸送コストも削減できた」そうです。2017年度のグッドデザイン特別賞、DESIGN TOKYO 大賞グランプリを獲得しました。

居山さんの受賞歴は目もくらむばかりです。日本デザインセンター勤務の後、乃木坂で独立したのが2000年。グラフィックデザイナーの登竜門、JAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会)新人賞を皮切りに, 海外ではニューヨークアートディレクターズクラブ金賞はじめ、CLIO Awards、One Show、カンヌライオンズなどグラフィックデザインの世界三大アワードすべてで金賞。2016年には審査の厳しさから世界でもっとも受賞が困難なデザイン賞と評されているD&ADで約2万5000件の応募の中から最高賞に選ばれました。
国内でも日本文具大賞グランプリ、DSA日本空間デザイン賞金賞など数知れず。
最近は、NY、ロンドンや中国など海外で開催されるグラフィックデザインコンテストの審査員として招かれることも多いようです。

道を歩いていても塀のわずかな隙間から透かして見えるだけの植物園ですがこのオフィスは2階。道路に面した大きな窓からは「旧東京医学校本館」や植物園の日本庭園が目の前に広がります。「引っ越してすぐそれまでのすりガラスを透明なガラスに置き換えました」。この窓越しの景色には当然ですね。

山手線の内側で何をするにも便利なこと。海外出張が多いことから成田も羽田へ行くのにも便利。子育ての環境が良いこと。跡見出身の奥様が良く知った場所だったこと。「湯立坂から植物園までが何と言っても素晴らしい」と、この場所を決めました。「クライアントさんにも好評です」。

長い大きなテーブルと沢山の書籍、棚には受賞トロフィーがずらりと並び大きな窓越しには植物園の緑がたっぷり。良いデザインは良い環境から生まれるのですね。界隈の小さな(小さくないかも知れません)「世界企業」。益々のご発展を!(11月27日)

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